大手企業とベンチャーもしくは中小企業が接点を持ち、ビジネスをスタートさせるためには、信用力の担保と支払いサイトという金銭面の価値観を合わせることが必要。
しかしながら大手企業側から相手を見定めるのが特に難しい。信用力の担保には、未来という可能性を含めた企業や経営者、その企業にあるアイデアや技術力を見抜く力がないのを棚に上げ、帝国データバンクをはじめとする評価機関、ほとんど出てこない第三者評価、お決まりになっている3年分の決算書で判断しようとする。共通して言えるのは過去の評判ばかり。
オープンイノベーションが叫ばれて久しいが、まだまだ事業提携、資本提携の事例はまだまだ少ない。しかも連鎖反応的に一部の領域や企業に偏っているようにも思える。
プロスポーツのように未来への投資には何万年にも匹敵する地層になってしまうような失敗の積み重ねが必要なのに、古い慣習に基づいた老朽化した石橋を叩いてしまって、あげく割ってしまう。
かといって、鶴と言われる盲目な幹部層が患部になっているのを気づかず、無理に進めてしまうと、うまくいかないことも多い。
リクルートという企業が、新規事業をあれだけたくさん量産できるのはなぜだろう?と思い返してみた。
企業の中で、ちゃんとRINGというJリーグ制度が確立されているのも大きいな。ただのビジネスプランコンテストに見えるが、そうじゃない。そうみんなでリベートして、関わると決めたみんなが一緒に時間とお金というリスクをとる。
そう考えると、徹底した当事者意識以外に成功するという道はないと強く感じる。
できない、まだできていないのはなぜか?を説明する言い訳や、できているように見せる無駄な忖度が、組織や事業を失敗にいざなう。
この人間、そのチームと、たくさんの会話を重ね、これだったうまくいく、じゃなくて、自分が責任をもってうまくいかせることができるという見極めができる担当者や幹部がいる大手企業のオープンイノベーションは成功できるのではないだろうか。企業のオープンイノベーションを受託する企業へ、イベントの運営を外だししているようではだめかもな。
GAFAと日本企業の差は、遅れではない。中にいる人の質、つまり挑戦や未来を作ることが楽しいと思う人がいるかどうか、年収や出世、ポジションは結果であって目指すものではないと思う気概をもっているかどうか、組織の圧力に屈せず、大きな声をだせるかどうか、もし忖度が必要なのであれば、魂を売るのではなく、言い方を吟味してうまくすすめることができるかどうか、そんな人に出会いたいし、育てたいなと最近思います。