1995年。富士通入社。
僕は、同期一番人気のパソコンの企画部門に配属してもらい、新入社員として活動を開始。
仕事の中心にはいつもNEC。
そのベンチマークはNECのPCスペック、宣伝、販促、販売店との取引条件そして接待戦略にまで至る。接待旅行の比較表はいまでも鮮明に覚えている…コンパニオンの年齢までもいれた笑。
でも僕のベンチマークはいつもソニーVAIOの戦略。
商品はもちろんのこと、販促、カタログ、ノベルティのひとつひとつに学びが多くあり、いつも悔しい思いをしていた。
なんで、こんなにセンスがいい商品が出せるんだろう。
なんで、こんなに細部にわたり、思いが強い商品が創れるんだろう。
音楽をはじめとするコンテンツ連動の戦略が非常に羨ましかった。
使い方をイメージする周辺機器との接続アピールパネルは特に凄かった…それを見てきた部長に理不尽にどなられ…、そそくさと富士通版も作ったが、プリンターとMOドライブ以外、書くものがなくて苦しかった…他社のデジカメを入れるのも悔しいのイラストでカバーしたなぁ。
ソニーは接待なんか、戦略中心おくわけがない。
ソニーが販売店に迎合して、取引条件を譲るわけがない。
それは強い商品を作れたからに他ならない。
そのソニーが、たった10年でAppleに全ての立場を奪われた。
なぜだろう。
答えはシンプル。
ソニーらしいアイデアとその技術力によりもたらすことができる、驚きと生活の豊かさの提供を忘れたかに他ならないのではないだろうか。
事業部の壁、関連会社の壁、業界との壁、それを崩して商品を産み出す強さがなぜなくなったのだろう。
ソニーは「強烈なリーダーシップを発揮する社長が陣頭指揮をとる」という日本を代表する侍イノベーション企業なはず。
あ、そうか。
リーダーがわるかったのか…。
やっぱりリーダーって大切だな。
優秀な社員がいたとしても、リーダーにイノベーションを起すんだという気概がなければ、いい化学反応は起きない。
でも、スティーブはこの世を去った。iPhone6はまだしも、明らかにiWatchはイケてない。
ってことは、ソニーが巻き返すチャンスかもしれない。
いや、日本企業、いや、すべての侍たちが、世界を驚かすチャンスかもしれない。
これからの10年、ガッツリ勝負したいし、すべき。
「円」に力がなくなって、株価があがるというこのへんてこな状態を脱さなければ、日本の未来はないしな。
俺もひよっこだけど、リーダーのはしくれ。
メンバー全員と、やりたいことを、やれること、そしてやったら面白いことの交差点をたくさん産み出そう。