3つの無形知的財産権企業の攻防戦。
ブルーレイディスクのように、業界構図の中に「日本企業がいない」ことに非常に大きな憤りを感じます。特に「テクノロジー」のみが先行して、コンテンツビジネスを展開する企業や、ハードビジネスを展開する企業がそこに存在していない、という視点でも多くの課題を感じてしまいます。
考え方が古いかもしれませんが、この3社がプラットフォーム提供会社として、映画館探しに話を置き換えてみると、どのコンテンツを見るか見たくないかでビジネスが進んでいくのではなく、どの「放映技術」をもった映画館や、どの映画を「探せるか」で火花を散らしていることになりますよね。日曜日のお昼の食卓で「今日の映画、新聞で探すか、ぴあで探すか」って議論していることに近いことに気づき、そのポイントに違和感を覚えます。
本来のコンテンツビジネスとは、その「クリエーションやイノベーション」に、広告という形かコンテンツ利用料(入場料、小売店での購入など)として費用を払うもの。コンテンツ会社はその利益を、次につながる新しいコンテンツを生み出すものに活用する。つまり「うまいスパイラル」が起こしているはずのものですよね。
にもかかわらず、他社の有料コンテンツを無断流用に近い形で集めて、そこに広告枠を集めその費用はコンテンツビジネスを展開する人たちに還元されない。友人のWEB屋には「古いよ」と一蹴されてしまいそうですが、結果的にそもそも、その検索エンジンがそこに存在する意義ならびにそのPVを稼ぎ出しているコンテンツ群を創る人々に、利益が流れない「収益インターセプトモデル」というダークなものだといえます。それは、結果的にそのに検索エンジンが必要なくなる状態になることに気付いていない。
CGMコンテンツのクローリングはまだ納得できるのですが、昨今のTVやDVD、CDから不正にピックアップしたコンテンツのクローリングや、投稿で自由にアップされる技術の上に成り立つビジネスには、どうしても疑問を感じます。
ついては、この攻防戦にぜひ「日本コンテンツ会社」さんが参入して欲しいです。この戦いは、よくよく考えると「どこに東京タワーを建てるのか?」的な話ですしね。うーんやっぱり変だ 🙁
最後に残るのは、コンテンツを創る力を持った日本企業、そして外国企業であっても素晴らしいクリエーションをもつ企業であって欲しい。
もしくは、カスタマーを魅了するコンテンツの表現力を引きあげる技術をもった日本のハードメーカー/ソフトメーカーであって欲しい。そして、新しいクリエーションを展開できる「人」であってほしい。そう願います。
ちょっと、メーカーに戻りたくなった籾倉でした。 😀
“【Yahoo!,Google,Microsoft】日本企業不在の攻防戦…” への2件の返信
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youtubeやニコニコ動画は確かにグレーゾーン(ダーク?)の
上に成り立っているビジネスモデルですよね。
検索エンジンそのものについては、サイト側のメリット
の方が今も昔も大きそうな気もします。
私は日本のウェブコンテンツ会社の最大の問題は
「見切り」の速さだと考えています。
「3ヶ月で収益を出さなければそのビジネスは駄目」
(某社の社内コンテストも、上場企業の宿命でしょうか。。)
「2年も頑張ったけど赤字なんだから駄目」
若者の就職か!と突っ込みたいです。
そのビジネス、もう少し長くやったら変わるんじゃないの?
誰か他の人がやったら違うんじゃないの?
もっと安く続ける方法も何かあるんじゃないの?
と思うことは多々あります。
投資家も経営者も、良く言って下らない事ができない。
アマゾンのような長期計画で動ける話も余り出てこない。
そこらあたりの意識そのもの、哲学の差がアメリカとの差に
なっている気がします。
確かにそうですね。
リクープラインの考え方が少し弱いかもしれませんね。
小資本で初めてあたるビジネスが◎で、大資本で時間がかかるものは×。
だからこそ、電機メーカーや商社のような資本力がある企業がコンテンツビジネスを長い目でみてやることも大事なひとつな気がします。
なんで、ハード/ソフトには研究開発レベルもふくめて相当コストをかけるのに、WEBコンテンツにはコストをかけないんだろう…。
日本発の世界を変えるWEBソリューションが欲しいですね。