就職氷河期ではない。問題の根幹が見えた

2011年卒採用、2012年卒採用ともに推進している今、彼らとの会話を深める中で、就職活動を進める学生達を取り巻く事情に、どんな問題があるかがわかってきました。
これは、学生たちに読んでほしい僕なりの警鐘です。
恐らくそれは5つ。

1.ネットの台頭による自己実現のハードルの変化
2.先入観を強めるSNSや就職情報共有サイトの落とし穴
3.マスコミよる学生の被害者意識の植え付け
4.ブランド志向により、中小企業を避けると言う浅はかな事実
5.エントリーシート創出による一定ラインのバサ切りの実現

どれも大きな問題ですよ、ほんと。いま就職氷河期なんかじゃない。すべては学生のプレゼンテーション能力の低下に他ならない。
1.ネットの台頭による自己実現のハードルの変化
広告の業界では、コミュニケーションからパーセプション(知覚・認知・理解)が大切だ―なんて会話がホットですが、ちょっとブログやツイッターに書き込んだ自分の意見が、たいして経験や実績のない別の誰かからすぐに「軽い共感」とうレベルの低い錦の御旗を手に入れることができるのも事実。自分が常に正しい?なんておもっちゃうようです。
ネット上で「今日はA社の面接だったけど、あそこの社員、俺的にはイケてないのでこっちからやる気ナッシングに見せて、おちてやったよ」ってかきこんだら、「そーなんだ、大丈夫だよ、君ならイケる!あんな会社ばっくれちゃえ」、最後は「だよねーありがとー」なんて感じ。逝ってくれガチで(苦笑)
2.先入観を強めるSNSや就職情報共有サイトの落とし穴
インターネットもよしあし。その企業研究をすることが簡単になったと思うんですよねー。検索するとすぐに出てくる。大学4年生って、学校では一番偉い学年。先輩、先輩って言われてちょっと天狗になった子だと、ネットでその企業をちょこちょこって調べて「私はこの企業のことを理解している」って前提にすぐなっちゃう。まぁそれはただの先入観でしかないってわかってない。
うちを受けにきた学生で、失礼なやっちゃなーって思ったのはこのあたり。
「御社の事はインターネットで調べさせてもらいました。大手の採用サイトには採用情報を出してらっしゃらないようなので、信用できませんね」ってあほか。「私なりに御社のことを理解しようと思ったのですが、まぁなんとなく理解していると思ってもらったらイイと思います」なんてざら(苦笑)。無礼千万でしょ?しかもそれが無礼って認識がなかったりもする…
ネットって、謙虚さをもぎ取るツールなんかなー。まぁ確かに、最新の情報は知っていてるけど、実務やらせたら全然だめな若者もいますからね…ニュー耳年増とネーミングするか…根深い…。卒論をネットのコピペだけで提出しちゃう話に似ています。
やっぱ、やんちゃな若者を推奨する僕的には、オリジナリティを追求して目立って欲しいものです。
3.マスコミのよる学生の被害者意識の植え付け
弊社を受けてくれる学生のほぼすべてに僕が聞いている質問なんですが、たいていの学生はこう答えます。「なんで君は今まで内定がもらえてないの?」『はい、それは不景気だからです』って環境のせいにしちゃう(苦笑)。その時点で絶対に採用しませんよ、どの企業も。経団連が悪いってやつもいたな。僕はちゃんとやってますっって(もう涙しかでまへんわ…)
僕は悪くない、悪いのは企業だ!不景気だ!ってアホか。
実際、内定を複数貰っている優秀な学生も多くいますからね。ダメなのは、君でしかないという事実にいち早く気づき、足りない点をしっかりと指摘してもらう存在を創ること、それはまずは親です。イケてる大学の先生もあんまりいなさそうだし…。おとーさん、おかーさん、しっかりしてやぁ、まじで。
4.ブランド志向により、中小企業を避けると言う浅はかな事実
大企業が雑誌や会社案内、ネットでの表現が上手いのは当たり前。それだけ予算と人と時間を使ってるからですからね。その情報を見て学生は大手企業の価値を理解し、当たり前だがそのパーセプションスピードも速く、なぜか自分の活躍イメージも簡単に創っちゃう。
まぁある意味デジタルネイティブって言われてる世代の当たり前の事実なんですが、企業側もそれ以上に成長しているって事を学生は知らない。自分の活躍イメージ、いや活躍妄想を簡単できるという意味で情報過多の大手ばかり選んで、就職活動を進めることにより、自分よりもネットでの自分自身を表現することが上手い人間がいることも知らず、落ちた時の原因がイメージができない。
なんで、僕はこんなにあの企業での活躍イメージができているのに、彼ら人事部はわからないんだろう?ってな感じ。うちの会社にも複数の企業で最終面接まで進み、その最後の砦でことごとく落ちてきている学生にもよく合います。みんな一様に言うのは「落ちた理由がわからない。」簡単です、それはあなたが謙虚じゃないからですよ。
己を知り、中小企業、ベンチャー企業でも分け隔てなく企業研究し、どんなブランドの企業が良いか?なんて浅はかな視点で企業を受けるのではなく、「自分が熱くなれる仕事って何か?」「どんな人たちと仕事をしたいか?」「日本に貢献できるとすれば自分の能力が活きる企業ってどこか?」って事を追求して欲しいものです。
5.エントリーシート創出による一定ラインのバサ切りの実現
僕の古巣の採用サイトのシステムであったり、エクセルやアクセスなど、人事部が学校名、年齢、書き込んだ項目の文字数などでガッツリ切ることができることを忘れてはいけません。
つまり、ESの書き方が人生の登竜門的な本は読む必要なないでがんす。
本当に勝ちたいなら、通常の就職活動で自分の行きたい企業を受けるのではなく、なりふり構わず、OBからの紹介、コネ、アルバイトから入ってアピール、インターンシップでの活躍など、いろいろ自分の価値を刷りこむ手法があるはずなので、熱意を持って動く事を忘れないで欲しいと思います。
就職活動って言葉自体僕は嫌いですから。自分の人生にまっすぐに向き合って、やりたいこと(欲求)、やれること(能力)、やらせて貰えること(機会)で仕事を選ぶのではなく、 誰とやりたいか(仲間)や、何に熱くなれるか(志)で仕事を選んで下さい。ガチで学生に求めたい僕の本質です。
-僕ら大人が学生たちの意識改革をしていかなければならない。
ま、これを打破するためには、まずは親、そして教授陣、学校内就職関連組織、後は学生のお互い自身、先輩の5つのレイヤーがそれぞれ認識を改め、学生自身の心を強くする動きをしなければならないと強く思います。

きっぱりと言い切りますが、就職氷河期なんかじゃありません。学生の意識氷河期だと思います。

頑張れ、若人よって逆に言うと、この逆の学生も多く見ています。その子には内定を出してます。ことしもイキのいい新卒が2名入ってきますよー★超楽しみです。あ、まだ選考途中の若者もいますが、この記事読んで奮えたってくれることを願いたいものです!
それにしても、久々に長いブログ書いたな―(笑)

“就職氷河期ではない。問題の根幹が見えた” への1件の返信

  1. 一気に読ませていただきました。
    考えさせられました。
    就職活動中の学生さんの一人でも多くの目に留まると良いのにな~
    これからの日本。どうなってしまうのでしょうか。。。
    謙虚さ、初心を忘れずに仕事をしていきたいと思います。

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